ウイルス対策

ウイルス対策ソフトを入れたらプリンターが使えない|原因と直す順番

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ウイルス対策ソフトを入れた日から、家のプリンターで印刷できない。スキャンした画像がパソコンに届かない。NASや共有フォルダが一覧から消えた。

原因の多くは、ソフトのファイアウォールが家の中の通信を止めていることです。 故障やウイルス感染ではありません。家のネットワークを「信頼できる場所」に設定し直すか、プリンターを許可リストに入れれば、たいてい直ります。

この記事では、5分でできる切り分けから順に並べます。ESET・ノートン・ウイルスバスター別の設定場所と、やってはいけない直し方も扱います。

まず5分でやる切り分け

最初に、原因が本当にウイルス対策ソフトなのかを確かめます。上から順に試してください。

  1. プリンター本体の電源を入れ直し、パソコンと同じWi-Fiにつながっているか確かめる。 プリンターだけ別のWi-Fi(中継機や5GHz/2.4GHzの別名)につながっていると、ソフトと関係なく見えません。
  2. スマホから同じプリンターで印刷してみる。 スマホで印刷できるなら、プリンターとWi-Fiは正常です。問題はパソコン側にあります。
  3. ウイルス対策ソフトのファイアウォールだけを10分ほど一時停止して、もう一度印刷する。 これで印刷できれば、原因はファイアウォールで確定です。確認が終わったら必ずオンに戻します。

3で直らない場合は、ソフト以外の要因を疑います。Windowsのネットワーク設定やプリンタードライバーの問題が多く、後半の「それでも直らないとき」で扱います。

なお、VPNを使っている人は、VPNのほうが家の中の通信を止めていることもあります。その場合はVPN中に家のプリンターが使えないときの直し方を先に読んでください。

プリンターが使えなくなる3つの理由

家のネットワークを公共の場所と判定

ウイルス対策ソフトのファイアウォールは、今つながっているネットワークを「自宅・職場(信頼できる)」か「カフェや駅(公共)」かに分けて扱います。公共と判定されると、同じネットワーク内の機器からの接続を強めに止めます。 公衆Wi-Fiで他人のパソコンからのぞかれないための設計です。

インストール直後に「このネットワークの種類を選んでください」という確認が出て、よく読まずに公共側を選んだ。あるいは確認が出ないまま、安全側の初期設定になっている。このどちらかで、家のプリンターまで他人扱いになります。

ESETのサポート情報も、印刷・スキャンができない原因を通信の遮断と説明しています。「通信する端末の間で通信が遮断されている可能性」という書き方です(最終確認日:2026-09-30)。

プリンター用ソフトの通信を止めている

メーカー製のプリンターソフト(スキャン用アプリや監視ツール)は、ネットワークに通信しようとします。ファイアウォールが初めて見るソフトの通信を止めると、部分的な不具合が出ます。印刷はできてもスキャンだけ届かない、インク残量が出ない、などです。

エプソンのFAQも、ウイルスバスター クラウドの環境での注意を案内しています。プリンター関連のプログラムに通信を許可しないと、プリンターが使えない場合があるという内容です(最終確認日:2026-09-30)。

プリンターのIPアドレスが変わった

プリンターのIPアドレスは、ルーターが自動で割り振るのが一般的です。ルーターの再起動などで番号が変わると、以前に許可した番号と一致しなくなります。「一度直したのに、しばらくするとまた印刷できない」という人は、この理由が当てはまります。

キヤノンのマニュアルも、自動取得だと番号が変わり、ファイアウォールの設定次第で通信できなくなる場合があると説明しています。対策として、プリンター側でIPアドレスを固定する方法を案内しています(最終確認日:2026-09-30)。

直し方を安全な順に並べる

直し方は「守りを弱める範囲が小さい順」に試します。直った時点で止めるのが一番安全です。

ウイルス対策ソフト | プリンターが使えない

直し方ごとの手間と守りへの影響

上から順に試し、直った時点でやめます

手間守りへの影響向いている状況
家のネットワークを信頼に変更 ネットワークの種類を選び直す ○ 数クリック △ 自宅・職場だけで行う ○ まず全員が試す
プリンターだけ許可リストに追加 IPアドレスを指定する △ IPアドレスの確認が要る ○ 許可はプリンターだけ ○ ネットワークごと許可したくない人
プリンター用ソフトの通信を許可 スキャンだけ届かない時 △ ソフト名を探す手間 ○ 許可はそのソフトだけ △ 部分的な不具合の時
ファイアウォールを常時オフ 切り分けの一時停止とは別 ○ 手間はかからない × 家の外で無防備になる × 直し方として使わない
  • ※設定の名前と場所は製品やバージョンで変わります。見当たらない場合は各社のサポート情報で確認してください
  • ※ネットワークを信頼に変えるのは自宅・職場だけにし、公衆Wi-Fiでは変えないでください

セキュリティくらべ

1. 家のネットワークを信頼に変える

最初にやるのは、家のネットワークの種類を「プライベート(信頼)」に選び直すことです。 多くの人はこれだけで直ります。

ただし、この設定はネットワーク単位で覚えられます。ノートパソコンをカフェに持ち出したとき、カフェのWi-Fiまで信頼に変えてはいけません。信頼にするのは自宅と職場のWi-Fiだけ、と決めておきます。

2. プリンターだけを許可リストに入れる

1で直らなかった人や、ネットワーク全体を信頼にしたくない人は、プリンターのIPアドレスだけを許可リストに入れます。IPアドレスは、プリンター本体の画面か、ネットワーク設定のレポート印刷で確認できます。

この方法を使うなら、プリンター側でIPアドレスを固定しておくと、番号が変わって再発する事態を防げます。固定の手順はプリンターの機種で異なるため、メーカーのマニュアルに従ってください。

3. スキャン用ソフトの通信を許可する

印刷はできるのにスキャンだけ届かない場合は、メーカー製のスキャン用ソフトがブロックされている可能性があります。ファイアウォールの「ブロックしたアプリ」や「通信の記録」を開き、プリンターメーカー名のソフトがあれば許可に変えます。

ソフト別の設定場所

設定の名前は製品やバージョンで変わるため、ここでは公式サポート情報で確認できた範囲だけを書きます(最終確認日:2026-09-30)。

ESET

ESET(キヤノンITソリューションズ)のサポート情報では、次の順で案内されています。

  • 「ネットワーク保護」の「ネットワーク接続」から今のネットワークを編集し、「プライベート(信頼)」を選ぶ。家庭・職場のネットワークだけで行うよう注記があります
  • 直らなければ、「詳細設定」→「ネットワークアクセス保護」→「ネットワーク検査」→「IPセット」の「信頼ゾーン」に、プリンターのIPアドレスを追加する
  • それでも直らなければ、「ファイアウォール」の「ルール」で、プリンターのIPアドレスとの通信を許可するルールを作る

ノートン

ノートンのサポート情報では、ファイアウォール設定の「ネットワークの信頼」でネットワークの信頼レベルを設定できると説明しています。プリンターなどと接続できない場合は、「デバイスの信頼」にプリンターを追加する方法が案内されています。追加のときは、機器の名前とIPアドレス(または物理アドレス)、信頼レベルを入力します。

ウイルスバスター クラウド

ウイルスバスター クラウドは、Windowsのファイアウォールと併用する前提の設計です。トレンドマイクロのサポート情報によると、独自の「ファイアウォールチューナー」はWindowsファイアウォールを補強する機能で、初期設定で有効になっています。

ウイルスバスターの環境で印刷できないときは、Windows側のネットワーク設定(次の節)を先に確認するのが近道です。プリンターのセットアップ中にネットワークアクセスの許可を求められたら、プリンターメーカーのソフトであることを確かめてから許可します。

Windowsのネットワーク設定

Windows 11では、Wi-Fiやイーサネットのプロパティに「ネットワーク プロファイルの種類」があります。ここで「パブリック」と「プライベート」を選べます。パブリックのままだと、家の中の機器を見つける機能が働きにくくなります。 家のWi-Fiならプライベートに変えてください。

Windowsのセキュリティ全体の状態については、「ウイルス対策がオフ」と出るときの原因と直し方もあわせて確認できます。

やってはいけない直し方

印刷を急ぐあまり、守りを大きく外してしまうケースがあります。避けたいのは次の3つです。

  • ファイアウォールをオフにしたまま使い続ける。 切り分けのための一時停止は問題ありません。ただしオフのまま外に持ち出すと、公衆Wi-Fiで同じネットワークの他人から接続を受けやすくなります。
  • ウイルス対策ソフトを2本入れて、片方のファイアウォールで代用しようとする。 2本入れると衝突して、かえって通信が不安定になることがあります。乗り換えるなら古いほうを正しく消してから入れます(ウイルス対策ソフトの乗り換え手順)。
  • 「すべて許可」のルールを作る。 ルールを作るときは、相手をプリンターのIPアドレスに限定します。相手を指定しないルールは、ファイアウォールを外したのとほぼ同じです。

それでも直らないときに疑う場所

プリンタードライバーの入れ直し

ファイアウォールを一時停止しても印刷できないなら、ウイルス対策ソフトは原因ではありません。プリンターを一度削除し、メーカーの公式サイトから最新のドライバーを入れ直します。Windowsの大型アップデートの後に起きやすい症状です。

ルーターの機能

ルーターによっては、Wi-Fiにつながった機器どうしの通信を止める機能があります。「プライバシーセパレーター」「ネットワーク分離」などの名前です。ゲスト用Wi-Fiにプリンターかパソコンの片方だけがつながっている場合も、同じ理由で見えません。

設定の複雑さそのものに困っている

設定画面の場所がわからない状態や、直してもすぐ再発する状態が続くなら、ソフトを見直す選択肢もあります。ただし、乗り換えだけでプリンターの問題が消える保証はありません。 どの製品にもファイアウォールや通信の監視機能があり、家のネットワークの種類を選ぶ作業は乗り換え後も必要です。

乗り換えを考えるなら、無料体験版で自宅のプリンターと一緒に試してから決めると失敗が少なくなります。ESETは30日間の無料体験版を用意しています。公式サイトによると、体験版は製品版と同じプログラムで、製品版に切り替えるときに入れ直しが要りません(最終確認日:2026-09-30)。プリンターの設定手順も、上で紹介したとおり公式サポートに段階別で載っています。

乗り換える場合は、今のソフトを正しくアンインストールしてから入れてください。2本が同時に動くと、プリンター以外の通信にも不具合が出やすくなります。製品の選び方そのものはウイルス対策ソフトの選び方で比較しています。

よくある質問

Q. ネットワークを「信頼」にすると、ウイルス対策の効果は落ちますか? A. ウイルスの検出機能(ファイルやメールの検査)はそのまま動きます。緩むのは、同じネットワーク内の機器どうしの接続の制限です。自宅と職場に限れば、実用上の影響は小さい設定です。

Q. 印刷はできるのに、スキャンだけできません。 A. スキャンはプリンターからパソコンへ向かう通信です。ファイアウォールはこの向きの通信を止めやすいため、印刷だけ通る状態になります。プリンターのIPアドレスを許可リストに入れるか、スキャン用ソフトの通信を許可してください。

Q. ルーターを再起動したら、また印刷できなくなりました。 A. プリンターのIPアドレスが変わった可能性が高いです。許可リストの番号を新しい番号に直すか、プリンター側でIPアドレスを固定してください。

Q. Macでも同じことが起きますか? A. 起きます。ウイルス対策ソフトのファイアウォールやネットワーク保護が、家の中の機器との通信を止める仕組みはMacでも同じです。設定の名前はWindows版と異なるため、各社のMac向けサポート情報で確認してください。

Q. ファイアウォールを切れば直るなら、切ったままでもいいですか? A. 家から持ち出さないデスクトップパソコンでも、切ったままはすすめません。家のネットワークを信頼に変えれば、守りを残したまま印刷できます。

こんな人はこう直す

  • インストール直後から印刷できない人:家のネットワークを「プライベート(信頼)」に変えます。
  • 一度直ったのに再発した人:プリンターのIPアドレスを固定し、許可リストの番号を合わせます。
  • スキャンだけ届かない人:プリンターのIPアドレスを許可リストに入れ、スキャン用ソフトの通信も許可します。
  • ファイアウォールを止めても直らない人:ソフトは原因ではありません。ドライバーとルーターの設定を確認します。
  • 設定のたびに迷う人:無料体験版で自宅の機器と一緒に試し、合うソフトに乗り換える選択肢があります。

※料金・条件は執筆時点のものです。最新は各公式でご確認ください。

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