VPNが遅い原因の切り分け方|設定で直すか乗り換えるかの判断
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VPNをつないだ途端に「動画が止まる」「ページの表示が重い」「アップロードが終わらない」——こうした遅さは、実はVPNサービスそのものが原因とは限りません。回線・端末・設定・サーバーなど、遅くなる場所はいくつもあり、それぞれ対処法が違います。
やみくもに解約したり高いプランに変えたりする前に、まずどこがボトルネックなのかを順番に切り分けるのが近道です。この記事では、遅さの原因を上流から一つずつ確認し、「設定で直せるケース」と「VPNを乗り換えたほうがいいケース」を、大げさに煽らずに整理します。
そもそもVPNは多少遅くなるのが普通
前提として、VPNをつなぐと通信は多少遅くなります。これは避けられません。理由は主に2つです。
- 暗号化・復号の処理が加わる(端末とサーバーの両方で計算が発生する)
- 遠回りの経路を通る(一度VPNサーバーを経由してから目的地へ届く)
どのくらい遅くなるかはサービスや条件で差がありますが、近くのサーバーに最新のプロトコルでつないだ場合、速度の低下は数%〜3割程度に収まることが多いとされています(各社の実測レビューより。数値は測定環境で変わります)。
つまり、「VPNをつなぐと元の回線より少し遅い」のは正常です。問題にすべきは、「動画が止まるほど遅い」「元の速度の半分以下に落ちる」といった、明らかに度を越したケースです。ここからは、その原因を上流から切り分けていきます。
原因の切り分け① まず「VPNなしの速度」を測る
一番はじめにやるべきは、VPNを切った状態で回線速度を測ることです。順番はこうです。
- VPNを完全にオフにする
- 速度測定サイト(「スピードテスト」で検索すると出てきます)でダウンロード速度を測る
- 次にVPNをオンにして、同じ場所で測り直す
- 2と3の差を見る
ここで大事な考え方は、VPNは元の回線より速くはならないということです。VPNなしで20Mbpsしか出ていない回線なら、VPNをつないでそれ以上出ることはありません。
- VPNなしの時点で遅い → 原因は回線・Wi-Fi・プロバイダ側。VPNを乗り換えても解決しません(下の「回線側の対処」へ)
- VPNなしは速いのに、つなぐと極端に落ちる → VPN側・設定側に原因あり(原因②以降へ)
この最初のひと手間で、「VPNのせいだと思っていたら実は回線が遅かった」という勘違いを防げます。
原因の切り分け② サーバーの場所とプロトコルを見直す
VPNなしは速いのに、つなぐと極端に遅い場合、まず疑うのは接続先サーバーとプロトコルです。ここは設定でかなり改善できることが多い部分です。
サーバーの場所 遠い国のサーバーにつなぐほど、物理的な距離のぶん遅くなります。特別な理由(海外の動画を見たい等)がなければ、自分から近い国・地域のサーバーを選びます。多くのアプリには「最速サーバーに自動接続」の機能があるので、それを使うのが手軽です。
プロトコル(通信方式) プロトコルとは、VPNがデータをやりとりする方式のことです。古い方式より、新しい高速方式に変えるだけで速くなることがあります。
- WireGuard系(NordVPNの「NordLynx」、ExpressVPNの「Lightway」など各社が採用・改良した方式)は、従来のOpenVPNより軽くて速い傾向があります
- アプリの設定で「プロトコル」を自動、またはWireGuard系に切り替えて測り直す
このあたりは契約を変えずに、アプリの設定変更だけで試せるので、乗り換えを考える前に必ず一度やってみてください。
VPNが遅い | 原因の切り分け
遅さの原因はどこにある?
上から順に確認すると、乗り換えが必要かどうかが分かります
| 設定で直せるか | 乗り換えで直るか | |
|---|---|---|
| 回線・Wi-Fiが遅い VPNなしでも遅い | × VPN設定では直らない | × 乗り換えても変わらない |
| サーバーが遠い/混雑 遠い国に接続中 | ○ 近いサーバーに変更で改善 | △ サーバー数が多い所なら有利 |
| プロトコルが古い OpenVPN等のまま | ○ WireGuard系に変更で改善 | △ 高速方式を持つ所なら有利 |
| 端末が古い・非力 暗号化処理が重い | △ 軽い方式で多少改善 | △ 軽い方式のある所で緩和 |
| VPN自体が遅い 設定を見直しても遅い | × 設定では限界がある | ○ 速いVPNなら効果大 |
- ※○△×は一般的な傾向です。実際の速度は回線・端末・時間帯で変わります。最新は各公式でご確認ください。
セキュリティくらべ
原因の切り分け③ 回線側・端末側の対処(設定で直せる範囲)
サーバーとプロトコルを変えても改善しないときは、VPNの外側(回線や端末)を疑います。ここは無料でできる対処が中心です。
回線側
- モデム・ルーターを再起動する(時間が経つと遅くなることがあり、再起動で戻ることがあります)
- 有線接続を試す(Wi-Fiが不安定なら、LANケーブルの直結で切り分けられます)
- 混雑する時間帯(夜間など)を避けて測り直す
- スマホなら、機内モードをON→10秒待つ→OFFで回線をリセットしてみる
端末側
- 古い・スペックの低い端末は、暗号化の処理が重く、速度が出にくいことがあります。この場合は軽いプロトコルに変えると多少緩和します
- 常駐アプリやバックグラウンドの通信を止める
- セキュリティソフトがVPN通信を検査して遅くしていないか、設定を見直す(切るのではなく、除外設定を確認)
ここまでの①〜③を試しても「元の回線は速いのに、VPNをつなぐと明らかに遅い」状態が続くなら、次はVPNサービス自体を疑う段階です。
原因の切り分け④ VPN自体が遅い場合(乗り換えを検討する段階)
設定を一通り見直しても遅い場合、原因がVPNサービスそのものにある可能性が高くなります。特に、次のようなVPNは構造的に遅くなりがちです。
- 無料VPN:利用者が多く、サーバーの数や帯域が限られていることが多い。速度が出にくく、通信量に制限がある場合もあります
- サーバー数が少ないサービス:混雑時に空いているサーバーが見つからず遅くなる
- 高速プロトコルに対応していない:新しい方式を選べず、頭打ちになる
こうした「サービス自体の遅さ」は、設定では直せません。速度を重視するなら、サーバー数が多く、高速プロトコルを備えたVPNへの乗り換えが現実的な選択になります。
速いVPNを試したい人はこちら。どちらも30日間の返金保証があるので、まず自分の回線・端末で速度を測ってから続けるか決められます(返金条件・料金は変わることがあるため、申し込み前に公式で最新をご確認ください)。
速度で選ぶなら(自分の環境で試して判断)
ExpressVPNは、独自プロトコル「Lightway」を採用し、速度と接続の安定性を重視したサービスです。105カ国3,000台以上のサーバーを展開しています(最終確認日:2026-08-02)。海外の動画視聴など、遠いサーバーに安定してつなぎたい用途と相性がよいとされます。
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よくある質問(FAQ)
Q. VPNを速いものに変えれば、必ず速くなりますか? いいえ。元の回線が遅い場合や、Wi-Fi・端末が原因の場合は、VPNを変えても速くなりません。まず「VPNなしの速度」を測って、原因が回線側かVPN側かを切り分けてください。
Q. 有料VPNなら無料VPNより必ず速いですか? 一般的な傾向として、有料VPNのほうがサーバー数・帯域に余裕があり速度は出やすいです。ただし「有料=絶対に速い」わけではなく、混雑時間帯やサーバーの場所で変わります。返金保証を使って自分の環境で試すのが確実です。
Q. プロトコルを変えるとセキュリティは弱くなりませんか? WireGuard系(NordLynx・Lightwayなど)は、速度と安全性の両立を狙って設計された新しい方式です。速いからといって安全性を大きく犠牲にしているわけではありませんが、詳しい仕様は各公式の説明をご確認ください。
Q. 一つのサーバーだけ遅いのですが? サーバーは混雑状況で速度が変わります。同じ国の別サーバーに切り替えるか、「最速サーバーに自動接続」を試してください。
こんな人におすすめ
- VPNなしでも遅い人:まず回線・Wi-Fi・プロバイダ側を見直す(VPNの乗り換えは不要)
- 設定を変えれば直りそうな人:近いサーバー+WireGuard系プロトコルをまず試す
- 設定を見直しても遅い人/無料VPNを使っている人:サーバー数が多く高速プロトコルを持つ有料VPNを、返金保証つきで試して判断する
「絶対に速くなる」と断言できるものはありません。遅さの原因はいくつも重なることがあるため、上流から一つずつ切り分けるのが、遠回りに見えて一番の近道です。
※料金・条件は執筆時点のものです。最新は各公式でご確認ください。