ウイルス対策ソフトがインストールできない|原因と直す順番
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最終確認日:2026-09-24
買ったばかりのウイルス対策ソフトが、インストールの途中でエラーになる。あるいは「このアプリはお使いのPCでは実行できません」と出て、そもそも始まらない。この症状の多くは、ソフトの不具合ではありません。PC側の条件がインストーラの前提と合っていないことが原因です。
この記事でわかることは3つです。
- エラーの表示から原因を見分ける方法
- 手間の小さい順に試す直し方
- 何をしても入らないときの選び直しの基準
先に結論を書きます。最初に確認するのは「古いセキュリティソフトが残っていないか」です。次に、PCが「Sモード」か「ARM版」かを確かめます。この3点で大半の原因が絞れます。
表示で見分ける原因5つ
インストールが止まったときの表示は、原因の手がかりになります。メーカー各社のサポート情報をもとに、よくある5つの原因を表示と組み合わせて整理しました。
| 出ている表示・症状 | 疑う原因 |
|---|---|
| 「同時にインストールできないソフトウェアが検出されました」 | 他社製ソフトや旧バージョンが残っている |
| 「このアプリはお使いのPCでは実行できません」 | ARM版PCに古いインストーラを使っている |
| Microsoft Storeのアプリしか入れられない旨の表示 | WindowsがSモードになっている |
| インストーラが途中で止まる・対応OSでないと出る | 32ビット版Windows・古いWindows |
| 権限を求められて先に進めない | 管理者ではないアカウントで作業している |
1. 古いセキュリティソフトの残り
いちばん多い原因は、前に使っていたソフトの残りです。トレンドマイクロのサポートページは、競合ソフトが見つかる原因として3つを挙げています。他社製のウイルス対策製品、互換性のない他社製ソフト、旧バージョンのウイルスバスターの残りです。
メーカー製PCには、体験版のセキュリティソフトが最初から入っていることがあります。自分で入れた覚えがなくても、アプリの一覧を確認してください。ESETの国内販売元はキヤノンITソリューションズです。同社も、他社製ソフトを消さずに入れると、フリーズや通信不良の原因になると案内しています。
2. WindowsのSモード
安価なノートPCには、Windows 11のSモードで出荷される機種があります。Microsoftの公式FAQによると、SモードではMicrosoft Storeのアプリしかインストールできません。同じFAQは、Sモードで互換性が確認されたウイルス対策は付属のWindowsセキュリティのみと説明しています。
つまりSモードのままでは、ESETやノートンなどの一般的なインストーラは動きません。
3. ARM版PCと古いインストーラ
Snapdragon搭載のWindows PCは、中身がARM版のWindowsです。トレンドマイクロの案内では、旧バージョンのウイルスバスター クラウドはARMのCPUにインストールできません。「このアプリはお使いのPCでは実行できません」と出たら、最新版のインストーラを使う必要があります。
ARM版かどうかは「システム情報」で確かめられます。「システムの種類」に「ARM64-based PC」と出ていればARM版です。
4. 32ビット版や古いWindows
製品ごとに対応するWindowsは決まっています。ESET HOME セキュリティの例を挙げます。キヤノンの動作環境ページでは、Windows 11とWindows 10の64ビット版のみが対象です。32ビット版のWindows 10や、Windows 8.1以前には入りません。
Windows 10を使い続けるときの注意点は、Windows 10を使い続ける対策|ソフトの対応期限とESUの使い方で整理しています。
5. 管理者ではないアカウント
ウイルス対策ソフトはOSの深い部分に組み込まれるため、インストールに管理者の権限が要ります。キヤノンの動作環境ページも、インストールには管理者権限のアカウントが必要と明記しています。家族で1台を共有していて、子ども用の標準アカウントで作業している場合に起きやすい原因です。
手間の小さい順に試す直し方
上から順に試してください。下に行くほど元に戻せない変更が混ざります。
- PCを再起動してからやり直す:保留中の更新が残っていると、インストーラが止まることがあります
- アプリの一覧で古いソフトを探す:「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」で探します
- 見つけたソフトをメーカーの手順で消す:通常のアンインストールで消えきらない製品もあります。メーカーが専用の削除ツールを配布していないか、各社のサポートページを確認してください
- 消したあとにもう一度再起動する:再起動の前にインストールすると、消したはずのドライバーが残ったまま競合します
- インストーラを公式サイトから取り直す:古いファイルやCD-ROMの版は、ARM版PCに対応していないことがあります
- 管理者のアカウントで実行する:インストーラを右クリックして「管理者として実行」を選びます
- Sモードを解除する:手順は次の節で説明します。解除は元に戻せません
古いソフトの消し方はウイルス対策ソフトの乗り換え手順|古いソフトの正しい消し方で製品別に詳しく書いています。
Sモード解除の前に知ること
**Sモードの解除は無料ですが、一度解除すると戻せません。**Microsoftの公式FAQがこの2点を明記しています。
Windows 11での解除手順は次のとおりです。
- 「設定」→「システム」→「ライセンス認証」を開く
- 「Windows 11 Proに切り替える」の欄で「ストアに移動」を選ぶ
- Microsoft Storeのページで「取得」を押す
解除するとStore以外のアプリも入れられるようになります。そのぶん、出どころの怪しいソフトを入れてしまう余地も広がります。解除してまで有料のソフトを入れるべきかは、使い方で決まります。
- 解除しなくてよい人:ブラウザとStoreのアプリだけで用が足りる。付属のWindowsセキュリティで保護される
- 解除を考える人:Store以外のソフトが仕事で必要。家族の複数台を同じ製品でまとめて管理したい
無料のWindowsセキュリティで足りるかは、無料のウイルス対策ソフトで足りる?有料版との違いを冷静に比較にまとめています。
ARM版PCの対応状況
ARM版Windowsへの対応は、2026年9月時点で主要3製品とも進んでいます。ただし、どの製品にもARM版では使えない機能があります。各社の公式情報で確認できた内容を並べます。
ウイルス対策ソフト | ARM版Windows
主要3製品のARM版PCへの対応
3製品とも入りますが、使えない機能が製品ごとに違います
| ARM版への対応 | ARM版での制限 | |
|---|---|---|
| ESET HOME セキュリティ キヤノンITS | ○ 個人向け全製品が対応 | △ エクスプロイトブロッカー等が対象外 |
| ノートン 360 Gen Digital | ○ Snapdragon X搭載機に対応 | △ 保護者向け機能が対象外 |
| ウイルスバスター クラウド トレンドマイクロ | △ 最新版のインストーラが必要 | △ 更新は自動のみ等の制限あり |
- ※各社の公式サポート情報をもとに作成(最終確認日 2026-09-24)
- ※対応範囲は変わるため、購入前に公式の動作環境を確認してください
セキュリティくらべ
制限の中身は次のとおりです。
- ESET:キヤノンのサポート情報によると、個人向けの全プログラムがARM64に対応しています。一方で、エクスプロイトブロッカーと高度な機械学習保護は使えません。一部製品のSecure Data機能も対象外です
- ノートン 360:製品ページによると、Snapdragon X搭載のARM機に対応しています。保護者向けのコントロール機能はARM版に含まれません
- ウイルスバスター クラウド:トレンドマイクロの案内では、ARM版の更新は自動アップデートのみです。ARM版PCでは最新版のインストーラを使う必要があります
**子どもの見守りが目的なら、ARM版PCではノートンの保護者向け機能が使えない点に注意してください。**見守りをOSの標準機能で済ませる方法は子どものスマホ見守り|OS標準機能で足りる?ソフトとの違いで解説しています。
よくある質問
Q. 何度やっても途中で止まります。ウイルスに感染していますか 感染と決めつける必要はありません。止まる原因の多くは、古いソフトの残りと再起動の待ちです。上の手順の2〜4を、再起動をはさんで順番に試してください。
Q. 返品や返金はできますか ダウンロード版の返金条件は販売店と製品で異なります。購入した店舗やメーカーのサポートに、インストールできない旨を伝えて確認してください。
Q. 古いソフトを消したあと、無防備になりませんか Windowsは他社製ソフトがなくなると、付属のWindowsセキュリティを自動で有効にします。消してから次のソフトを入れるまでの間も、最低限の保護は残ります。
Q. 家電量販店で買ったCD-ROM版でも入りますか ディスクに入っているインストーラは、発売時点の古い版です。ARM版PCや最新のWindowsでは、メーカーの公式サイトから最新版を取り直すほうが確実です。購入済みのライセンスを使えるかは、各メーカーのサポートページで確認してください。
入らない時の選び直しの基準
手順をすべて試しても入らないなら、製品の側を見直す段階です。選び直すときは次の3点を先に確認してください。
- 公式の動作環境に、自分のWindows(64ビット・ARM版かどうか)が載っている
- 購入前に体験版で、インストールまで試せる
- 日本語のサポート窓口とインストール手順のページがある
**2点目の「体験版で入るか試せる」ことは、今回の症状では特に効きます。**買ってから入らないと分かる事態を避けられるためです。
ESET HOME セキュリティは、キヤノンの公式サイトで30日間の無料体験版を配布しています。公式サイトによると、体験版は製品版と同じプログラムで、購入時に再インストールは要りません。動作環境はWindows 11とWindows 10の64ビット版で、ARM版にも対応しています。ただしARM版では一部の機能が使えない点は、上の比較のとおりです。
入らない理由がSモードだった人は、選び直す前に決めることがあります。「解除してまで入れる必要があるか」です。
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