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セキュリティソフト付属のVPNで足りる?専用VPNとの違い

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ウイルス対策ソフトを更新しようとして、機能一覧に「VPN」の文字を見つけた。あるいは、VPNを契約しようとして「そういえばノートンにもVPNが付いていた気がする」と手が止まった——。

ここで迷うのは当然です。VPNを二重に契約しても、通信が二重に守られるわけではありません。 片方は完全に無駄になります。かといって、付属VPNで用が足りない使い方をしているのに「付いているから」で済ませると、必要な機能が無くて結局使わなくなります。

この記事は、「あなたの使い方だと付属VPNで足りるのか、専用VPNが要るのか」を10分で決めるための判断材料です。付属VPNを不当に貶めることも、専用VPNを不安で煽って売ることもしません。公式サイトで確認できた事実と、確認できなかったことの両方を書きます。

結論:判断は「VPNを何に使うか」で決まる

先に結論を書きます。分かれ目は1つだけです。

  • 公衆Wi-Fiでの盗み見対策が目的なら、付属VPNで足りることが多い
  • 接続先の国を選ぶこと(海外から日本のサービス、日本から海外のサービス)が目的なら、専用VPNのほうが向いている

理由はシンプルです。セキュリティソフトに付いているVPNは、「公衆Wi-Fiの通信を暗号化する」という用途を主目的に設計されているからです。ESETの公式ページも、VPN機能の紹介を公衆Wi-Fi対策の文脈で行っています。一方、専用VPNは「どの国のサーバーを経由するか」を商品価値の中心に置いており、設置国数を前面に出して競争しています。

同じ「VPN」という名前でも、力を入れている方向が違うわけです。どちらが優れているかではなく、あなたの目的がどちらに寄っているかで決まります。

なお、VPNとウイルス対策ソフトはそもそも守る場所が違うため、「VPNがあればウイルス対策は不要」ということにはなりません。この点はVPNとウイルス対策ソフトの違い|両方いる?役割で選ぶで整理しています。

セキュリティソフト付属のVPNは、どこまでできる?

主要3製品について、公式サイトで確認できた内容をそのまま書きます。最終確認日:2026-09-28(いずれも各社公式サイト)。

ノートン 360

ノートン360はすべてのエディションにVPNが含まれ、追加料金はかかりません。公式サイトで確認できた1年版の価格は、スタンダード(1台)5,280円、デラックス(3台)8,180円、プレミアム(5台)8,480円(いずれも税込)でした。VPNは「有効期間内は指定した数までのデバイスで利用できる」と記載されており、契約したプランの台数がそのままVPNの台数になります。

ウイルスバスター トータルセキュリティ

ウイルスバスター トータルセキュリティ スタンダード/プレミアムには、Wi-Fi通信の盗み見防止(VPN)機能が含まれ、セキュリティ機能とVPN機能を6台まで利用できます。VPNの実体は「フリーWi-Fiプロテクション」というアプリで、これをオンにすると通信が暗号化されます。名前のとおり、想定されている主戦場は公衆Wi-Fiです。

ESET HOME セキュリティ

ESETはプレミアムとアルティメットにVPNが搭載されています(エッセンシャルには付きません)。VPNの利用台数はプレミアムが3台、アルティメットが10台です。公式の紹介ページには**「接続先の国も選択可能」と明記**されており、付属VPNの中では国の切り替えを打ち出しているほうです。

確認できなかったこと(正直に書きます)

3製品とも、VPNの接続先が何か国あるのかを公式サイトで見つけられませんでした(2026-09-04時点)。「29か国」といった数字を挙げている記事もありますが、公式の裏が取れなかったため、この記事では数字として扱いません。接続先の国が重要な人は、契約前に各社のサポートページで最新の対応国を確認してください。

図で見る:付属VPNと専用VPNの違い

VPN | 付属か、専用か

セキュリティソフト付属のVPNと専用VPNの違い

どちらが上ということではなく、力を入れている方向が違います

公衆Wi-Fiの盗み見対策接続先の国を選ぶ追加の月額費用
セキュリティソフト付属のVPN ノートン/ウイルスバスター/ESET 等 ○ 通信を暗号化できる △ 製品による。対応国数は公式で非公表 ○ ソフト代に込み。追加なし
専用VPN(単体で契約) Surfshark/MillenVPN 等 ○ 通信を暗号化できる ○ Surfsharkは100か国以上と公表 × 別途、月額の契約が必要
  • ※付属VPNの利用台数はプランごとに決まります(ウイルスバスター トータルセキュリティは6台、ESETはプレミアム3台・アルティメット10台)。最終確認日:2026-09-04
  • ※VPNは通信経路を守る仕組みで、端末のウイルス感染を防ぐものではありません。どちらの選択でもウイルス対策は別に必要です

セキュリティくらべ

表の「追加の月額費用」で付属VPNが○なのは、すでにセキュリティソフトを契約している人にとっては実質タダで使えるからです。ここは付属VPNの最大の強みで、専用VPNがどうやっても勝てない部分です。

付属VPNで足りる人

次のどれかに当てはまるなら、わざわざ専用VPNを追加契約する必要はない可能性が高いです。

  • カフェ・空港・ホテルなど公衆Wi-Fiでの利用が目的。暗号化して盗み見を防ぐという用途は、付属VPNの本来の設計目的そのものです
  • VPNを常時オンにするつもりはなく、外出先で使うときだけオンにする
  • 家族の台数がプランの範囲に収まる(ウイルスバスター トータルセキュリティなら6台、ESETアルティメットなら10台)
  • 接続先の国を切り替える予定がない。国内で国内のサービスを使うだけなら、対応国数はそもそも判断材料になりません

「付属だから性能が低い」という決めつけは正しくありません。 通信を暗号化するという中核の仕組みは共通で、公衆Wi-Fi対策という用途に限れば、付属VPNで目的は達成できます。契約を1本にまとめられるぶん、管理も楽です。

公衆Wi-Fiでどこまでリスクがあるのかについては、公衆Wi-FiにVPNは必要?危険性と現実的な対策も参考にしてください。

専用VPNに切り替えたほうがいい人

一方、次のどれかに当てはまるなら、付属VPNでは目的を達成できない可能性があります。

  • 接続先の国を細かく選びたい。海外赴任・出張中に日本のサービスを使う、あるいはその逆。対応国が公表されていない付属VPNでは、契約してみるまで使えるか分かりません
  • 家族の端末が多く、プランの台数を超える。スマホ・タブレット・PC・テレビと数えると、6台や10台は意外と早く埋まります
  • Kill Switch(VPNが切れたら通信を止める機能)や難読化など、細かい設定を使いたい。専用VPNはこの領域に機能を積んでいます
  • 速度を重視し、混雑時に別のサーバーへ切り替えて逃げたい。サーバーの選択肢が多いほど、この逃げ道は確保しやすくなります

台数の考え方はVPNの同時接続台数の選び方で詳しく書いています。

台数と国数で選ぶなら

最終確認日:2026-09-04(各社公式サイト)。専用VPNの中で、台数と国数の条件が公式に明記されているものを挙げます。

  • Surfshark:1つの契約を同時接続台数の制限なしで使えると公式に記載。サーバー所在国は100か国以上。30日以内に連絡すれば全額返金と明記
  • MillenVPN(国産):デバイス数無制限、世界140か所以上・2000台以上のサーバー、30日間返金保証。2年プランは初回月額396円(税込)、更新時は月額950円+税と公式に記載

どちらも台数無制限なので、「家族の端末が多くて付属VPNの枠に収まらない」という理由で移る場合は、この2つが候補になります。

日本語のサポートを重視する、あるいは国産サービスのほうが安心という人は、こちらも選択肢になります。

両方持つのは無駄になる?

「せっかく付属VPNがあるのに、専用VPNも契約したら二重払いでは」という疑問には、用途が完全に重なるなら、そのとおり無駄になりますと答えます。

VPNは同時に2つオンにしても保護が2倍になる仕組みではありません。むしろ2つのVPNアプリが同時に通信経路を握ろうとして、接続できない・極端に遅いといった不具合の原因になります。専用VPNに移るなら、付属VPNのほうはオフにして使わないのが基本です。

ただし、次のケースだけは「両方ある状態」に意味が出ます。

  • セキュリティソフトはウイルス対策目的で契約していて、VPNはたまたま付いてきただけ。この場合、付属VPNを使わなくても損はしていません(VPN分だけの値引きは受けられないため)
  • 付属VPNを予備として残す。専用VPN側で障害が起きたとき、切り替え先がある状態になります

VPNアプリを重ねたことで通信が不安定になった場合の切り分けは、VPNとウイルス対策ソフトの併用でつながらない時の直し方が参考になります。

迷ったときの決め方(3ステップ)

  1. 今のセキュリティソフトにVPNが付いているか確認する。ESETはエッセンシャルには付きません。ノートン360は全エディションに付いています
  2. 付属VPNを1〜2週間、実際の使い方で試す。追加費用はかからないので、ここは先に試すのが合理的です。速度・接続先の国・台数のどれかで不満が出たら、その不満こそが専用VPNを選ぶ理由になります
  3. 不満が具体的になってから、専用VPNを返金保証つきで試す。SurfsharkもMillenVPNも公式サイトに30日間の返金保証を明記しています

この順番が大事です。先に専用VPNを契約してから「付属で足りたかも」と気づくのが、いちばんもったいないからです。返金保証の使い方と落とし穴はVPNを無料で試す方法|返金保証の正しい使い方と落とし穴にまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q. 付属VPNは専用VPNより安全性が低いのですか? A. 「低い」と断定できる根拠は確認できませんでした。通信を暗号化するという中核の考え方は共通です。差が出やすいのは安全性よりも、接続先の国数・台数・細かい設定の有無といった使い勝手の部分です。なお、どちらを使ってもセキュリティに絶対はなく、偽のWi-Fiに自分から接続してしまうといったリスクはVPNでは防げません。

Q. 付属VPNでNetflixなどの海外の動画配信は見られますか? A. 見られるとは限りません。動画配信サービス側はVPN経由のアクセスを制限していることがあり、これは付属・専用を問わず起こります。どのVPNでも「必ず見られる」とは言えないため、この用途を主目的にするなら返金保証のある専用VPNで実際に試すのが確実です。

Q. VPNを入れればウイルス対策ソフトは解約していいですか? A. できません。VPNは通信の経路を守る仕組みで、ダウンロードしたファイルのマルウェアを検知する機能ではありません。役割が別なので、片方を残してもう片方を捨てる選び方はおすすめしません。

Q. スマホだけVPNを使いたい場合はどうすればいいですか? A. 付属VPNでも専用VPNでも、契約台数のうち1台をスマホに割り当てれば足ります。スマホだけなら台数無制限のメリットは薄いので、すでにセキュリティソフトを契約しているなら付属VPNから試すのが無駄がありません。

こんな人におすすめ(まとめ)

  • 付属VPNで足りる人:公衆Wi-Fi対策が目的/接続先の国を切り替えない/家族の台数がプラン内に収まる。すでに契約しているソフトのVPNをオンにするだけで済みます
  • 専用VPNに移ったほうがいい人:接続先の国を選びたい/端末が多くて台数枠に収まらない/Kill Switchなど細かい設定を使いたい
  • どちらか決めきれない人:まず付属VPNを試す。追加費用ゼロで不満点が具体化してから、返金保証つきの専用VPNを試す

セキュリティに「これで絶対安全」はありません。ただ、VPNの二重契約は防げます。付属VPNが手元にあるなら、そこを起点に考えるのがいちばん損の少ない進め方です。

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