クラウドの人数課金が高い|ユーザー数無制限に替える判断
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最終確認日:2026-10-05
スタッフや外注先が増えるたびに、クラウドストレージの請求額が上がっていく。小さな会社や個人事業でよく聞く悩みです。結論から書くと、使う人数が多く、保存するデータ量がそれほど多くないなら、人数ではなく容量で料金が決まる「ユーザー数無制限」型に替えると費用が読みやすくなります。反対に、人数が少ないか、データが何TBもある場合は、今の人数課金のままのほうが安く済むことが多いです。
この記事では、どちらが得かを自分で計算する式と、乗り換える前に確かめる点を整理します。
人数課金が高くなる仕組み
人数課金(ユーザー課金)は「1人あたり月◯円×アカウント数」で料金が決まる方式です。Google Workspace・Dropbox・Boxの法人向けプランの多くがこの形をとっています。
料金が膨らむ場面は、だいたい次の3つです。
- 社員が増える:1人採用するごとに1アカウント分が上乗せされる
- 外注先・取引先にもアカウントを発行する:社外の人にフォルダを編集してもらうために、席を買い足す
- 辞めた人のアカウントを消せない:データの引き継ぎが終わるまで、使っていない席にも料金がかかる
人数課金の良さは、少人数なら安く始められることです。1人あたりの保存容量が決まっているプランも多く、データが多い会社には向いています。問題は「人は多いが、ファイルの量はそこまでない」チームです。このタイプは容量をほとんど使っていないのに、人数分の料金を払い続けることになります。
人数課金と容量課金の違い
容量課金は「全体で何TB使えるか」で料金が決まり、アカウントは何人分作っても料金が変わらない方式です。「ユーザー数無制限」とうたうサービスがこの形です。
クラウドストレージ | 料金の決まり方
人数課金と容量課金の違い
どちらが安いかは人数とデータ量で決まります
| 人が増えたとき | 社外アカウント | データが増えたとき | |
|---|---|---|---|
| 人数課金 1人あたり月◯円 | × 人数分だけ上がる | △ 席を買い足す場合あり | ○ 1人ごとに容量がつく |
| 容量課金(人数無制限) 全体で◯TB | ○ 料金は変わらない | ○ 追加費用なしで発行 | △ 容量の追加料金がかかる |
- ※外部共有の扱いはサービス・プランごとに異なります。契約前に公式の仕様をご確認ください
セキュリティくらべ
容量課金の弱点は、データが増えると追加料金がかかることです。人数課金なら1人ごとに容量がついてくるため、動画や設計データを大量に扱う会社では人数課金のほうが割安になる場合があります。
損益の分かれ目を計算する方法
人数課金と容量課金のどちらが安いかは、次の式で目安が出ます。
分かれ目の人数 = 容量課金の月額 ÷ 人数課金の1人あたり月額
今の人数がこの数字より多ければ、容量課金のほうが安くなります。少なければ人数課金のままが割安です。
具体的な数字で試す
容量課金の例として、ユーザー数無制限のABLENETストレージ(ベーシックプラン・1TB)を使います。公式サイトによると、1年契約で月額換算19,800円(税込)です(最終確認日:2026-10-05)。
人数課金の1人あたり料金を、仮に3つのパターンで置くと次のとおりです。
| 人数課金の1人あたり月額(仮) | 容量課金のほうが安くなる人数 |
|---|---|
| 1,000円 | 20人以上 |
| 1,500円 | 14人以上 |
| 2,000円 | 10人以上 |
表の1人あたり料金は計算のための仮の数字です。実際には、今契約しているプランの請求書にある「1ユーザーあたりの金額」を税込で当てはめてください。
計算に入れ忘れやすい費用
月額だけで比べると判断を誤ります。次の3つも足して比べます。
- 初期費用:ABLENETストレージのベーシックは16,500円(税込)。1年で割ると月あたり約1,375円の上乗せ
- 容量の追加:1TBを超える分は1TBごとに月9,900円(税込)
- 契約期間:ABLENETストレージは月契約だと月22,000円(税込)。月額換算19,800円は1年契約の場合の金額
たとえば社外アカウントを含めて15人で使い、データが1TBに収まるなら、1人あたり1,500円の人数課金(月22,500円)より、容量課金のほうが安くなる計算です。データが2TBに増えると容量課金は月29,700円になり、逆転します。
乗り換える前に確かめる5点
料金が下がっても、仕事に必要な機能が欠けていては意味がありません。乗り換え先では、次の5点を契約前に確かめます。
- 今のデータ量が容量に収まるか:管理画面で使用量を確認し、1年後に増える分も見込む
- 社外の人に見せる範囲を絞れるか:フォルダごとにアクセスできる人を決められるか
- 共有リンクにパスワードと期限を付けられるか:取引先へのファイル渡しで使う機能
- 誤削除から戻せるか:ゴミ箱の保存期間と、過去の版に戻せる世代数
- 誰が何をしたか記録が残るか:ログイン・削除・アップロードの履歴(操作ログ)
ABLENETストレージの場合、公式の仕様ページでは次の内容が確認できます(最終確認日:2026-10-05)。
- ユーザーごとにフォルダのアクセス制限を設定できる。社外ユーザーのアカウントも発行できる
- 共有リンクにパスワードと有効期限を設定できる
- 削除したファイルは30日間復元できる。バージョン管理は0〜999世代
- ログイン履歴・削除履歴・アップロード履歴を最大999日保存
- 2要素認証(Google認証またはメール認証)に対応。データは国内で保管
- IPアドレス制限・ダウンロード回数制限・デバイス管理は上位のプロプラン(3TB・1年契約で月額換算55,440円)のみ
「自宅や事務所以外からは開けないようにしたい」という条件がある場合は、ベーシックでは足りません。その場合はプロプランの料金で損益を計算し直してください。
共有リンクの安全な設定は、共有リンクは危険?クラウドで安全にファイルを渡す設定で詳しく扱っています。
容量課金に替えると損するケース
人数無制限の容量課金が合わないケースもはっきりあります。次に当てはまるなら、今の人数課金を続けるほうが無難です。
- 使う人が5人前後:分かれ目の人数に届かず、容量課金の月額のほうが高くつく
- 動画・写真・設計データで何TBも使う:容量の追加料金が積み上がる
- メールやカレンダーと一体で使っている:Google WorkspaceやMicrosoft 365は、ストレージだけでなくメール・会議ツール込みの料金。ストレージだけ替えても、メール用の契約は残る
- 個人の写真バックアップが目的:ABLENETストレージは法人・チーム向けで、個人の写真保存には料金が見合わない
3つ目は見落としやすい点です。Google WorkspaceやMicrosoft 365をメール目的でも契約している場合、ストレージを別サービスに移しても人数課金はなくなりません。その場合は、ファイル共有に使う外注先・取引先のアカウントだけを容量課金側に移す、という分け方のほうが効果が出ます。
移行するときの順番
乗り換えると決めたら、次の順で進めると業務を止めずに済みます。
- 無料トライアルで試す:ABLENETストレージは10日間の無料トライアルがある(公式サイトより・最終確認日:2026-10-05)。エクスプローラーやFinderから使えるか、社外アカウントの権限設定が思いどおりかを確かめる
- フォルダ構成と権限を先に決める:誰がどのフォルダを見られるかを表にしてから作る
- データを移す:自分で移すか、有料のデータ移送サービス(ABLENETストレージは44,000円・税込)を使う
- しばらく両方を並行して使う:旧サービスは読み取り専用にしておく
- 旧サービスを解約する:解約前にデータが残っていないか確認する
解約したデータの扱いは、クラウドストレージを解約したらデータは消える?にまとめています。
人数の増減が多く、人数課金の請求額に悩んでいるチームは、トライアルで試してから判断できます。
よくある質問(FAQ)
ユーザー数無制限なら何人でも同じ料金ですか
ABLENETストレージの場合、ユーザー数による料金の変化はありません。料金が変わるのは、プランの変更と容量の追加です。ただしプランごとに容量の上限があるため、人が増えてデータも増えれば、容量の追加料金がかかります。
取引先にアカウントを渡しても安全ですか
アクセスできるフォルダを絞ったうえで発行すれば、取引先は許可されたフォルダしか見られません。ただし設定を間違えると見せたくないフォルダまで開けてしまいます。発行後に取引先のアカウントで実際にログインし、見える範囲を確認してください。
人数課金のサービスから一部だけ移すことはできますか
できます。社内はGoogle WorkspaceやMicrosoft 365のまま使い、社外とのファイル共有だけを容量課金のサービスに分ける方法です。社外向けの席を減らせるため、メール用の契約を残したまま費用を下げられます。
料金は税込ですか
ABLENETストレージの公式料金ページは「表示価格は税込」と明記しています(最終確認日:2026-10-05)。比べる相手のサービスは税別表示のことがあるため、計算するときは税込か税別かをそろえてください。
こんな人におすすめ
- 社員と外注先を合わせて10人以上いて、保存データは1TB前後のチーム
- 取引先との共有のためだけにアカウントを買い足している小規模事業
- 人の入れ替わりが多く、毎月の請求額を固定したい担当者
逆に、5人前後のチームや、何TBものデータを扱う会社は、今の人数課金のほうが安く済む可能性が高いです。上の計算式に自社の数字を当てはめてから判断してください。
※料金・条件は執筆時点のものです。最新は各公式サイトでご確認ください(最終確認日:2026-10-05)。セキュリティ機能に「絶対に安全」はない前提でお読みください。
あわせて読みたい
参考にした情報
- ABLENETストレージ公式「料金プラン」(最終確認日:2026-10-05)
- ABLENETストレージ公式「サービス仕様」(最終確認日:2026-10-05)
- ABLENETストレージ公式トップページ(最終確認日:2026-10-05)