セキュリティの選び方

偽の通販サイトの見分け方|SNS広告の詐欺ECと入力後の対処

※本サイトの記事にはアフィリエイト広告(PR)を含む場合があります


※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。

SNSのタイムラインに流れてきた広告。見たことのあるブランドの商品が、なぜか7割引き。タップして開いた通販サイトは、日本語も自然で、写真もきれい。……そういうサイトが、実は偽物だった、という相談が続いています。

この記事は「ネット通販は危ない」と脅すためのものではありません。偽サイトの多くは、買う前の30秒の確認でかなり弾けます。 そして、もし入力してしまっても、順番どおりに動けば被害を小さくできる可能性があります。見分け方と、入力してしまった後にやることを、順番に整理します。

SNS広告の通販サイトが見抜きにくい理由

以前の偽サイトは、日本語が明らかにおかしかったり、会社概要のページが空だったりと、分かりやすい特徴がありました。今はそこが変わっています。

国民生活センターは、著作権表示や特定商取引法に基づく表記など、もっともらしい体裁を整えた偽サイトが増えていると注意を呼びかけています。つまり「表記があるかどうか」だけでは判断しきれません。URL・運営会社・日本語表現・支払い方法など、複数の要素を合わせて総合的に見る必要がある、というのが今の状況です。

さらにSNS広告経由には、こんな性質があります。

  • 検索を経由していないので、公式サイトと並べて比べる機会がない
  • タイムラインの流れの中で、じっくり考える前にタップしてしまう
  • 「本日限り」「残り3点」のような表示で、確認する時間を削られる

見分ける力よりも先に、「広告から入った通販サイトでは、その場で決めない」という習慣のほうが効きます。

買う前の30秒チェック:7つの見どころ

上から順に見ていって、2つ以上あやしければ、その場では買わないでおくのが安全側の判断です。

  1. 特定商取引法に基づく表記があるか、中身が具体的か
    正規の通販サイトなら、フッターに「特定商取引法に基づく表記」や「会社概要」があります。偽サイトはこれが無いか、あっても住所・電話番号・責任者名があいまいで欠けていることが多いと指摘されています。
  2. 記載された住所・会社名を検索してみる
    住所をそのまま地図サービスに入れるだけでも判断材料になります。実在しない住所、まったく無関係な建物、他社の住所の使い回しが見つかることがあります。
  3. 支払い方法が銀行振込だけになっていないか
    これは後述しますが、かなり強いサインです。
  4. 振込先の口座名義が、運営会社名と一致しているか
    販売会社名と口座名義が違う、個人名義の口座を指定される、というのは典型的な注意点として挙げられています。
  5. URL(ドメイン)が公式のものと同じか
    ブランド名の一部だけを使った似たドメイン、意味の分からない文字列のドメインは要注意です。ブランド名を検索し直して、公式サイトのURLと見比べます。
  6. 値引き幅が相場から外れていないか
    定価の7割・8割引きが常時、しかも全商品というのは、通常の販売では成り立ちにくい設定です。
  7. 問い合わせ先がフリーメールのみ、電話番号が無い
    連絡手段が細いサイトは、トラブル時に交渉のしようがありません。

この7つのうち3と4は、後からお金を取り戻せるかどうかに直結します。 次で詳しく見ます。

支払い方法で「取り返せる可能性」が変わる

同じ金額を払うのでも、支払い方法によって、その後にできることが変わります。

偽の通販サイト | 支払い方法の違い

払ってしまった後、相談できる先があるか

金額が同じでも、その後にできることは支払い方法で変わります

支払った後に相談できる先手続きの入口
クレジットカード 相談先がある カード会社に不正利用として相談できる カード裏面の窓口へ電話
銀行振込(個人名義口座) 戻りにくい × 振込後は資金が移されやすく回収が難しい 振込先の金融機関と警察へ相談
QRコード決済・キャリア決済 規定次第 決済事業者の補償規定によって扱いが変わる 決済事業者のサポート窓口へ
  • ※カード会社への相談は「調べてもらえる」という意味であり、返金が確約されるものではありません。判断は各社の調査によります。
  • ※どの方法でも、注文画面・振込明細・やり取りの記録を残しておくほど話が進めやすくなります。

セキュリティくらべ

初めて使う通販サイトで、支払い方法が銀行振込しか選べない場合。これは「その店がカード決済の審査を通っていない」可能性を示します。カード決済を導入するには決済代行会社の審査があるため、審査を通せない事業者は振込に寄せることになります。初めての店では、相談先が残る支払い方法を選ぶ、と決めておくだけでもリスクは下がります。

URLを入れるだけで確認できる無料サービス

判断に迷ったとき、外部の情報も使えます。

  • SAGICHECK(サギチェック) … 日本サイバー犯罪対策センター(JC3)が収集した偽ショッピングサイトの情報をもとに、URLの信ぴょう性を確認できる無料サービスです。海外のScamAdviserと連携しており、JC3が情報提供した日本語の偽サイトは危険側として表示されます。URL: https://sagicheck.jp
  • 警察庁の「偽ショッピングサイト・詐欺サイト対策」ページ … 手口と対策、相談先がまとまっています。

ただし、判定に出てこない=安全、ではありません。 新しく作られたばかりのサイトは、まだ情報が集まっていないことがあります。あくまで「危険と出たらやめる」ための道具として使い、出なかった場合は7つのチェックのほうで判断してください。

入力してしまった後にやること(順番が大事)

もう入力・送信してしまった場合。ここはあわてて全部やろうとするより、順番を守るほうが効きます。

  1. カード情報を入れたなら、まずカード会社へ電話
    カードの裏面にある窓口に連絡し、状況を伝えて利用停止や再発行を相談します。カード会社は不正利用の相談に対応する体制を持っており、必要なら停止・再発行の手続きに進みます。ここが最優先です。
  2. 同じパスワードを使い回していたサービスのパスワードを変える
    偽サイトにIDとパスワードを入れた場合、同じ組み合わせを使っている他のサービスが芋づる式に危なくなります。使い回しをやめる話はブラウザのパスワード保存はやめるべきかで詳しく整理しています。
  3. 証拠を残す
    偽サイトのURL、注文完了画面、振込明細、相手とのメールのやり取りをスクリーンショットで保存します。サイトは短期間で消えることがあるため、思い出したときにはもう見られないことがあります。
  4. 相談窓口に連絡する
    消費生活センターにつながる消費者ホットライン「188」、警察への相談は警察相談専用電話「#9110」(緊急時は110番)。銀行振込をしてしまった場合は、振込先の金融機関にも連絡します。
  5. しばらくの間、明細と通知を見る習慣をつける
    カードの利用明細、銀行の入出金、各サービスのログイン通知。少額の試し取引から始まることがあるため、小さな金額の見慣れない請求も見逃さないようにします。

「恥ずかしいから誰にも言わない」が、いちばん被害を大きくします。 手口は年々巧妙になっていて、気づけないのは能力の問題ではありません。

セキュリティソフトはどこまで助けてくれるか

ここは正直に書きます。セキュリティソフトを入れれば偽サイトを100%防げる、ということはありません。 作られたばかりの偽サイトは、まだどの製品のデータベースにも載っていないからです。

そのうえで、実際に助けになる場面は3つあります。

  • 既知の危険サイトをブロックする(判明済みの偽サイト・フィッシングサイトへのアクセスを止める)
  • 検索結果の一覧で警告を出す(開く前に気づける)
  • 入れてしまった後の「漏れたかどうか」を見張る(ダークウェブ監視)

主要3製品の位置づけを、公表されている機能から整理します。最終確認日:2026-08-19(料金・機能の詳細は変更されることがあるため、契約前に各公式サイトでご確認ください)。

製品この記事の文脈で効く機能向いている人
ノートン 360危険サイトの評価・警告に加え、ダークウェブモニタリングで登録した個人情報の流出を検知して知らせる「もう入力してしまった」後の見張りまで欲しい人
ウイルスバスター クラウドフィッシングサイト等の不正サイトのブロック、決済保護ブラウザでネットショッピング時のカード情報を狙う攻撃を防ぐネット通販・ネットバンキングの利用が多い人
ESETフィッシングコンテンツを配布するWebページのブロック、迷惑メール対策動作の軽さを重視する人

このうち、入力してしまった後まで面倒を見てくれるのはダークウェブ監視だけです。ノートンのダークウェブモニタリングは「流出を防ぐ機能」ではなく「流出してしまったことを知らせる機能」で、いつ・何が漏れたのかを通知し、対処のアドバイスを出します。偽サイトにメールアドレスやカード情報を入れてしまった経験がある人は、この監視があるかどうかで安心感が変わります。

通販の決済まわりを重点的に固めたい場合は、決済保護ブラウザを持つウイルスバスターも選択肢になります。

無料版と有料版でどこまで差があるかは無料のウイルス対策ソフトで足りる?有料版との違いにまとめています。

よくある質問

Q. 鍵マーク(httpsの錠前)が付いていれば安全ですか?
いいえ。httpsは「通信が暗号化されている」ことを示すだけで、運営者が誠実かどうかとは無関係です。無料で証明書を取得できるため、偽サイトにも普通に鍵マークが付きます。

Q. 商品は届いたのですが、明らかに偽物でした。
支払い方法に応じた窓口(カード会社・決済事業者)に相談したうえで、消費者ホットライン188にも相談してください。商品・梱包・発送元の記載を写真で残しておきます。

Q. カード情報を入れただけで、まだ何も請求されていません。放っておいていいですか?
放置は勧めません。すぐに使われるとは限らず、時間を置いてから、あるいは少額の試し取引から始まることがあります。カード会社へ連絡し、再発行を含めて相談するのが確実です。

Q. 家族が引っかかったようです。何から聞けばいいですか?
「どのサイトで、いくらを、どの支払い方法で払ったか」の3点です。この3点が分かれば、上の順番どおりに動けます。責めずに聞き出すことが最優先です。

こんな人におすすめの備え方

  • SNS広告から通販をよく使う人:初めての店ではカード決済など相談先の残る方法を選び、買う前にSAGICHECKでURLを確認する
  • すでに入力してしまった人:カード会社へ連絡 → パスワード変更 → 証拠保存 → 188/#9110 の順で動く。あわせてダークウェブ監視のある製品で、漏れたときに気づける状態にしておく
  • 家族に高齢の親がいる人:支払い方法を家族で決めておく(初めての店では振込を使わない、など)だけでも効きます

セキュリティに「絶対」はありません。 だからこそ、防ぐ手段と、破られた後に気づく手段の両方を持っておくのが現実的です。

※料金・条件は執筆時点のものです。最新は各公式でご確認ください。

あわせて読みたい

参考にした情報

  • 国民生活センター「その通販サイト本物ですか!?“偽サイト”に警戒を!!」
  • 警察庁「偽ショッピングサイト・詐欺サイト対策」
  • 日本サイバー犯罪対策センター(JC3)「ScamAdviser(SAGICHECK)への協力」