パスワード管理アプリの乗り換え方|移行の手順と注意点を冷静に解説
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「今のパスワード管理アプリが値上げした」「別のアプリの方が使いやすそう」——そんな理由で乗り換えを考える人は少なくありません。ただ、いざ移そうとすると「保存したパスワードを全部持っていけるの?」「途中で消えたりしない?」と不安になりますよね。
この記事では、パスワード管理アプリを別のサービスへ乗り換えるときの流れを、初めての人向けに順を追って解説します。あわせて、移行の途中でパスワードが平文(暗号化されていない、そのまま読める状態)でファイルに出るという見落としやすいリスクにも触れます。ここを知らずに進めると、せっかくのパスワード管理が逆に危うくなることがあります。
なお、料金や画面の名前はサービス側の都合でよく変わります。細かい操作名は各アプリの公式ヘルプで最新をご確認ください。この記事は「全体の流れとつまずきどころ」を押さえるためのものです。
乗り換えは「エクスポート → インポート」が基本の流れ
パスワード管理アプリの引っ越しは、次の3ステップが基本です。
- 今のアプリからデータを書き出す(エクスポート)
- 書き出したファイルを新しいアプリに読み込む(インポート)
- 中身を確認して、書き出したファイルを完全に消す
多くのパスワード管理アプリには、この「書き出し」と「読み込み」の機能が標準で付いています。だからこそ、特定のアプリに縛られず引っ越しができるわけです。ここで一番のポイントは、3番目の「書き出したファイルを消す」まででワンセットだということ。ここを飛ばす人が多く、あとで説明する通り、それが一番危険です。
パスワード管理 | 乗り換えの流れ
移行の3ステップと気をつける点
「書き出したファイルを消す」まで終えて初めて完了です
| やること | 注意度 | |
|---|---|---|
| ① エクスポート(書き出し) 今のアプリで | ○ ほぼ全アプリに機能あり | △ 中身は平文で出ることが多い |
| ② インポート(読み込み) 新しいアプリで | ○ 対応形式を選べば取り込める | △ CSVは取りこぼしが起きやすい |
| ③ ファイルを完全に削除 見落としがち | ○ ここまでで移行が完了 | × 残すと丸ごと漏れる危険 |
- ※画面の名称や手順はアプリごとに異なります。詳細は各公式ヘルプでご確認ください。
セキュリティくらべ
手順の全体像(サービス共通の考え方)
具体的な操作名はアプリごとに違いますが、考え方はどのアプリでもほぼ同じです。
ステップ1:今のアプリからデータを書き出す
今使っているアプリの設定やツールのメニューに、「エクスポート」「データの書き出し」といった項目があります。ここからファイルを作ります。書き出せる形式には、主に次の2種類があります。
- CSV形式:表計算ソフトで開けるシンプルな形式。多くのアプリに対応していますが、後述の通り取りこぼしが起きやすい。
- そのアプリ独自の形式(JSONや専用形式など):メモやワンタイムパスワードの設定なども含めて、なるべくそのまま持っていける形式。
ステップ2:新しいアプリに読み込む
新しいアプリ側の「インポート」「データの取り込み」から、ステップ1で作ったファイルを読み込みます。このとき「どのアプリから移すか」「どの形式か」を選ぶ画面が出ることが多いので、書き出したときの形式に合わせて選びます。ここを間違えると、うまく取り込めなかったり、項目がずれたりします。
ステップ3:中身を確認して、ファイルを消す
読み込みが終わったら、主要なログイン情報がちゃんと入っているかを新しいアプリで確認します。特に、よく使うサービス数件は実際にログインできるか試すと安心です。確認できたら、ステップ1で書き出したファイルを完全に削除します。ゴミ箱に入れるだけでは不十分で、ゴミ箱からも消して、復元できない状態にするのが望ましいです。
一番の注意点:書き出したファイルは「鍵の束をそのまま置く」のと同じ
ここが本記事で一番伝えたいところです。
エクスポートで作られるファイルの中身は、多くの場合パスワードがそのまま読める状態(平文)です。 暗号化されていないので、そのファイルを開けば、誰でも中のIDとパスワードを見られてしまいます。つまり、あなたの全アカウントの鍵の束を、そのまま机の上に置いているのと同じ状態です。
だからこそ、次の点に注意してください。
- クラウドに置いたまま放置しない:共有フォルダや自動同期されるフォルダに書き出すと、意図せず外に出る恐れがあります。
- メールやチャットで自分宛に送らない:手元に残ってしまい、そこが弱点になります。
- 移行が終わったら即削除:確認が済んだら、その場で完全に消すのが鉄則です。
「絶対に漏れない」方法はありませんが、平文ファイルを長く残さないだけで、リスクは大きく下げられます。移行作業は、ファイルを消すところまでを一気にやってしまうのがおすすめです。
CSVでの移行は手軽だけど取りこぼしに注意
CSV形式はほとんどのアプリが対応していて手軽ですが、メモ欄・カスタム項目・ワンタイムパスワード(TOTP)の設定などがうまく引き継げないことがあります。「ログインIDとパスワードは移せたのに、二段階認証の設定が消えていた」というのは起きやすい失敗です。
そのため、可能なら次のように考えるのがおすすめです。
- 同じアプリの別アカウントへ移すなら、独自形式やアプリ内の移動機能を使う方が取りこぼしが少ない。
- 別アプリへ移すなら、まずCSV以外の対応形式がないか確認する。CSVしかない場合は、移行後に二段階認証やメモが残っているかを重点的にチェックする。
二段階認証(ワンタイムパスワード)の扱いに不安がある人は、別記事の二段階認証アプリの選び方|機種変更で詰まないおすすめを冷静比較もあわせて読むと、移行時のつまずきを避けやすくなります。
無料アプリのままでも乗り換えは十分できる
「乗り換えるなら有料プランにしないとダメ?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。移行のための書き出し・読み込みは、無料プランでも使えることが多いです。まずは無料プランで移してみて、機能が足りなければ後から有料を検討する、という順番で問題ありません。
無料のパスワード管理アプリの選び方そのものは、無料パスワード管理アプリの選び方|安全なのはどれ?2026年の値上げ後に冷静比較で詳しくまとめています。乗り換え先を決めきれていない人は、先にこちらを読むと選びやすくなります。
セキュリティソフト付属のパスワード管理から移るなら
ウイルス対策ソフトにパスワード管理機能が付いているタイプを使っている人も多いはずです。ソフトを乗り換えると、その付属機能も一緒に使えなくなることがあるため、乗り換え前にパスワードを書き出しておくと安心です。総合的なセキュリティソフト自体を見直したい人には、下記のような軽くて定番のソフトが選択肢になります。毎日使うものだから、動作の軽さと使い勝手で失敗したくない人はこちらもチェックしてみてください。
広告 / PR巧妙な詐欺も、ESETなら見抜く 軽くて強い、家族を守るセキュリティ
セキュリティソフトの更新料や乗り換えで迷っている人は、セキュリティソフトの更新料が高い?見直しと乗り換えを冷静比較も参考にしてください。
FAQ
Q. 乗り換えると、今までのパスワードは消えてしまいますか? A. 書き出し(エクスポート)は「コピーを作る」操作なので、元のアプリのデータはそのまま残ります。新しいアプリで問題なく使えることを確認してから、元のアプリを整理すれば安全です。
Q. どれくらい時間がかかりますか? A. データの量にもよりますが、書き出しから読み込みまでの作業自体は短時間で終わることが多いです。ただし、移行後の確認と、書き出したファイルの削除まで含めて、慌てずに進めるのがおすすめです。
Q. スマホだけでも移行できますか? A. アプリによってはスマホだけで完結できますが、書き出し・読み込みはパソコンの方が操作しやすい場合があります。うまくいかないときは、パソコンからの操作も試してみてください。
Q. 二段階認証の設定も一緒に移せますか? A. アプリと形式によります。CSVでは移せないことが多いので、移行後に二段階認証が残っているか必ず確認してください。詳しくは二段階認証アプリの記事を参考にしてください。
こんな人におすすめ
- 値上げをきっかけに見直したい人:まずは無料プランへ移せるか試すのがおすすめ。
- 二段階認証も使っている人:CSVでの取りこぼしに注意し、移行後の確認を丁寧に。
- セキュリティソフト付属機能から卒業したい人:乗り換え前に必ず書き出しを。
まとめ
- パスワード管理アプリの乗り換えは「書き出し → 読み込み → ファイル削除」の3ステップ。
- 書き出したファイルは中身が平文(そのまま読める)のことが多く、放置は危険。確認できたら即、完全に削除する。
- CSVは手軽だが取りこぼしが起きやすい。二段階認証やメモが残っているか、移行後に必ず確認する。
- 無料プランのままでも乗り換えは十分できる。焦らず、確認しながら進めるのが安全。
※料金・条件は執筆時点のものです。最新は各公式でご確認ください。
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参考にした情報
- Bitwarden 公式ヘルプ(インポート&エクスポートFAQ・1Passwordからのインポート)
- Apple サポート(iPhoneでパスワードを書き出す)